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「ヒィッ!」
鋭い何かが自分に向かって放たれたのだと気が付き、悲鳴が洩れると、更に背後からシュッシュッと手裏剣のようなものが投げつけられる。
それは狙いを定めたように、制服の袖や裾からのぞく腕や足の白い肌の皮一枚だけを掠めた。
まるでサーカスのナイフ投げのショーのように次々に放たれる刃物は、どんな形状をしているのかは分からないものの、全て的確に真奈美の体の薄皮一枚をかすり通り過ぎる。
一撃で簡単に仕留めることが出来るのに、わざわざ真奈美に恐怖を植え付け、楽しんでいるかのような攻撃に対し、彼女はパニックに陥り、持っていたスマホを放り投げ、大きな悲鳴を上げて走り出した。
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