Πの参

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「いやぁぁぁぁっ!」  街路灯のほとんどない暗い夜道。  鼠が天敵である猫の手から逃れる為に、細く狭い場所へと進んでいくように、真奈美も背後から襲って来た何者かに捕まらないよう無我夢中で走っているうちに、地元の人間ですら中々足を踏み入れることのない舗装もされていない細い砂利道へと迷い込んでしまった。 「ハァハァハァッ」  時折、後ろを振り返りながら走るが、あれから自分の後を追ってくる気配はない。
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