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しっかりとアスファルトで舗装されている道路であっても、全力疾走で追い掛ける足音は聞こえるはず。
それなのに、砂利道に響く足音は自分一人だけのもの。
もしかしたら、香澄先輩を殺害した犯人ではなく、あの場所のどこかで身を潜め、誰構わず無差別に人を傷つけようとした変質者か通り魔なのだろうか?
それとも、犯人を模した愉快犯?
だとしても、人に怪我をさせるなんて悪質だわっ!
沸々と怒りが湧き上がり足を止める。
荒くなった呼吸音と、虫の音だけが鼓膜を震わせる。
前後左右。
360度を見渡すが、やはり誰もいない。
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