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「変態は変態らしく、家でシコってろっつーの! 他人様に迷惑かけんなっ!」
青白い月明かりの下。
自分を傷つけた輩が追ってはこなかったという安心感と、辺りには雑木林や草叢しかない寂しげな場所に一人ぼっちだという不安。
何とも言いようのない苛立ちと、腹立たしさからヒステリックな声を上げた時であった。
「驕れるπ(パイ)も久しからず、ただ夏の夜の夢のごとし……」
「え?」
自分以外、誰もいない筈の場所で涼やかな声が風のように耳に届いた。
有り得ない出来事にポカンと棒立ちになっているところに、突然、すぐ横の木から目の前に真っ黒な影が飛び降りた。
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