プロローグ

3/3
前へ
/3ページ
次へ
そのあと、私たちは花を見たり花冠を作ったりして、とても楽しい日を過ごした。 楽しいことをしていると時間が過ぎるのはあっという間で、夕方になってしまった。 そろそろ帰らないと怒られちゃう!と彼女に伝えながら私はあることに気づく。そういえば名前を聞いていなかった。 「ねぇ、あなたの名前はなんて言うの?」 「私の名前は、ガタリ・ニタです。あなたの名前はなんていうんですか?」 「私の名前は、リタだよ!モエギ・リタ!」 彼女……ニタちゃんは一瞬大きく目を見開いた。 「……?どうしたの、ニタちゃん。」 ニタちゃんは、にこりと微笑むとこう言った。 「いえ、私とリタさんの名前が似てるな…って思いまして。」 そういえばそうだ。名字は違えど名前は一字違いで響きも似ている。 だから私は笑顔でこう言った。 「私、もっとニタちゃんと仲良くなりたい!」 ニタちゃんもこくりと頷いてくれる。 「私、あそこの家に住んでいるの。だから……」 次の言葉は遮られた。ニタちゃんによって。 「明日も私と遊んでくれますか?」 彼女は先程の微笑みを湛えたまま確かにそう言った。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加