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そのあと、私たちは花を見たり花冠を作ったりして、とても楽しい日を過ごした。
楽しいことをしていると時間が過ぎるのはあっという間で、夕方になってしまった。
そろそろ帰らないと怒られちゃう!と彼女に伝えながら私はあることに気づく。そういえば名前を聞いていなかった。
「ねぇ、あなたの名前はなんて言うの?」
「私の名前は、ガタリ・ニタです。あなたの名前はなんていうんですか?」
「私の名前は、リタだよ!モエギ・リタ!」
彼女……ニタちゃんは一瞬大きく目を見開いた。
「……?どうしたの、ニタちゃん。」
ニタちゃんは、にこりと微笑むとこう言った。
「いえ、私とリタさんの名前が似てるな…って思いまして。」
そういえばそうだ。名字は違えど名前は一字違いで響きも似ている。
だから私は笑顔でこう言った。
「私、もっとニタちゃんと仲良くなりたい!」
ニタちゃんもこくりと頷いてくれる。
「私、あそこの家に住んでいるの。だから……」
次の言葉は遮られた。ニタちゃんによって。
「明日も私と遊んでくれますか?」
彼女は先程の微笑みを湛えたまま確かにそう言った。
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