記憶の君

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立石春翔(ハルト)とは家が隣同士の、いわゆる幼なじみというやつだ。 歳は一つ下で、昔からあたしの後ろをひっついてまわる子だった。 あたしも春翔もひとりっ子で、あの子はあたしのことを姉のように思っていたんだと思う。 何をするにもあたしの真似をしていた。 あたしは小さい頃から走ることが好きで、8歳のとき陸上のクラブチームに入った。 負けず嫌いな性格も手伝って、さぼりもせず毎日走りこみ、家でもストレッチや簡単な筋トレをすることを欠かさなかった。 おかげで、10歳で地域の大会の入賞常連さん、その2年後には大きな大会で優勝することができた。
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