第四章

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夏休みが明けてからの遥斗の様子は変わらない。 変わらない……ように見えるけど、本当に笑わなくなった。 怒ったり、拗ねたり、笑ったり……くるくる変わっていた表情はほぼ一定。 今まで一緒に居て、こんな遥斗を見たのは初めてだった。 「………俺、ちょっとお手洗い行って来るね」 悶々とする心を落ち着かせる為に、俺は席を立つ。 「あ、ちーちゃん……」 遥斗の俺を呼ぶ声が聞こえ、振り返り微笑む。 「ん?」 「……いや、やっぱ……なんでもない」 最近、ずっとこんな感じだ。 「……そう?じゃあ、行ってくるね」 「…………ん」 そう告げて、俺は教室を出て当ても無く足を進める。 (……教室に居てもする事ないし、このまま散歩でもしよっかな) フラフラと賑わう教室の前を通り過ぎていると、ポケットの中で携帯が震えた。 ポケットからそれを取り出すと、表示された名前にふっと頬が緩み、人目につかない場所で通話ボタンを押した。 「……はい」
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