三、過ぎた時間のジクソーパズル

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待ち合わせまでまだ1時間も前だったけれど、今の私には『待っていても彼が来る』という明るい未来がある。 1時間で済むなら待っていられる。 6年間の、自然消滅扱いされた時に比べたら、胸が弾むぐらいだった。 カフェへ向かう途中、慶斗から着信が入った。 「はい?」 『今、どこに居るんだ』 ちょっとだけ苛立った声だと気付いたけど、気付いていないふりをした。 「さあ。でもカフェに向かってるよ」 『林田と待ち合わせしてたのか?』 途端に不機嫌になる声。 案外、彼はストレートに感情を出す。 いつも愛情ばかり貰っていたので、こんなあからさまな嫉妬は初めてだった。 「偶然だよ。でも色々と慶斗のことを教えてもらった。6年前のこととか、会えなかった時期のこととか」 『あいつ、余計なことを』 「あと1カ月早かったら、って林田さんは言ってくれたよ」
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