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待ち合わせまでまだ1時間も前だったけれど、今の私には『待っていても彼が来る』という明るい未来がある。
1時間で済むなら待っていられる。
6年間の、自然消滅扱いされた時に比べたら、胸が弾むぐらいだった。
カフェへ向かう途中、慶斗から着信が入った。
「はい?」
『今、どこに居るんだ』
ちょっとだけ苛立った声だと気付いたけど、気付いていないふりをした。
「さあ。でもカフェに向かってるよ」
『林田と待ち合わせしてたのか?』
途端に不機嫌になる声。
案外、彼はストレートに感情を出す。
いつも愛情ばかり貰っていたので、こんなあからさまな嫉妬は初めてだった。
「偶然だよ。でも色々と慶斗のことを教えてもらった。6年前のこととか、会えなかった時期のこととか」
『あいつ、余計なことを』
「あと1カ月早かったら、って林田さんは言ってくれたよ」
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