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射抜くように真っ直ぐ見つめられながらそう言われた。
「だから、今度こそ信じてずっと一緒に居て欲しい」
シンプルな言葉に、思わずスプーンで無駄に珈琲を掻きまわした。
カラカラと氷がぶつかる音を聞きながらなんとか必死で指先を見た。
「再会できるなんて思ってもみなかったから、――昨日、慶斗の顔を見てからずっと。――ずっと心が燃えるように熱くて苦しかったんだから」
「……俺が入ってきた瞬間、嫌そうに壁の方を向いた癖に」
「な、なんで、そんな!」
ばっちり見られていたなんて不覚。
見た瞬間、素直じゃない私は、自分の気持ちにも精一杯抵抗していたもんね。
「しょうがねえよ。俺は待ってて欲しいって伝えたはずが美春じゃないやつが返事していたんだから」
「優衣……」
一体どんな内容の話だったのか分からないけれど、目の前の慶斗の照れくさそうな顔を見たらそれが答えだと分かった。
「ところで」
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