三、過ぎた時間のジクソーパズル

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「ぷぷ。善処します」 慶斗の腕に自分の腕を絡ませながら、嬉しくて笑ってしまった。 その夜は、忘れたくても忘れられない。 熱くて、薔薇の棘が刺さったみたいに熱い痛みが体中を支配した。 それも絡めてくれた指先と、重なった口付けが優しくて。 頬に触れる慶の指先が愛しくて。 必死で背中に腕を回しながら、もう二度と離れたくないと強く強く抱きしめた。 高値の花だと遠巻きにされていた私を、―――きっと彼は一番よく分かって見てくれている。 それだけでも嬉しい。 きっと彼は、壁の花になって一人でぽつんと私が居ても、隣で一緒に黙っていてくれそうな人。 貴方のその、無言なのに優しく包み込んでくれる空気が大好きです。 ずっと、ずっと大好きです。 好きだと彼に素直に言えて、それがどうか伝わりますように。
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