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その言葉と同時に、彼の腕の中に囚われた。
「――っ。そんなの反則だ。色々聞いてないし! 樹雨さんと何があったんだよ! ってか、字やばい。字に色気があって、繊細で美しくて消えてしまいそうで抱きしめなきゃ不安になるような、そんな字で、ずりい」
「ぷぷ。どんな字ですか」
馬鹿みたいに緊張していた俺は少しだけ笑った後、抱きしめられた腕に頬を擦り寄せた。
「全て、――散らしてください」
貴方の手で、全て暴いて下さい。
怖くない。
怖くないけれど、爆発しそうな恋焦がれる気持ちは抱きしめるだけでは止まらなかくて、二人で暗闇の中目を慣らしてから唇を重ねた。
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