-ペンダントの跡-

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当然、藤田も社長派。 それなのに、湯本マミを偽物だとウソをついて、擁護することは、藤田が実は敵 方の人間であることを示している。 もっとも、これは市川アヤノに騙されているからかもとも考えられた。 だが、極め付けは、太田さんの父親が社長派と言ったこと。 太田さんの父親が自分の味方ならば、同じ社長派の湯本マミの部屋でスパイ行為 をするわけがない。 つまり、この点は明確にウソをついたことになる。 「囲まれてるって、どういうことだ、お嬢ちゃん…」 藤田が真剣な顔で近付いてくる。 藤田は普段はひょうきんな顔で、ムードメーカーを装っているので、その落差が 怖い。 まるで、別人。
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