-夜の来訪者-

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アタシはそれが誰だか、誰にも漏らしていない。  なぜだかはわからない。  ホントのところ、アタシは誰も信用していないのかもしれない。  ここまで、考えたとき、コンコンと、部屋のドアを叩く音がした。  「…ハイ…」  アタシは声を上げ、ドアの前に立つ。  「…どなたですか?…」  「…アタシ、太田です…」  …太田さん? なんの用だろ??…  アタシはドアを開ける。  太田ミクの姿がそこにあった。  いつものように、まったりとした平安貴族のような物腰。  昨夜、見た忍者のような姿はどこにもない。  「どうしたの?」  アタシは、尋ねる。  
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