第1章

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「まだしらを切るか!商務大臣子息、ボッタ・クラーレ!」 「はいな。あんたはんはビーチ嬢のご実家の商い先に手ぇ回して取引を妨害してましたなぁ」 「ビーチ嬢の実家なんて知りませんよ!」 怒りで真っ赤になりながら抗弁する令嬢。しかし断罪はまだ続く。 「本当に往生際が悪い。外務大臣子息、ヤミニ・ホムル!」 「ははぁっ、貴女は重大な取引先である隣国、エブリ国へ密輸を持ちかけていたな?証拠書類は押収したぞ!」 得意そうに書類を掲げるヤミニ・ホムル。 「密輸なんて知りません!いい加減にしてください!」 令嬢はとうとう泣き出してしまった。しかし、断罪者達はそれで許すつもりは毛頭ない。 「泣けば許されるとでも思ったか?取り押さえろ!」 ノウ・キーンに押さえられ、床に叩きつけられた令嬢は声が出なかった。 「ユリ様ぁ、いい気味ねぇ。王太子妃はぁ、私がなってあげるからねぇ」 勝ち誇り笑う女の頬にキスする王太子。 「無様だな。何か言い残す事はあるか?」 王太子の軽蔑しきった視線を真っ向から見返す令嬢。
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