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「そこに立って」
手枷をはめられた僕は
言われるがまま歩いて。
(チッ……)
天井から吊り下げられた金具に
片方ずつ腕を繋がれる。
「門限は何時?」
「は?」
慣れた手つきで
僕のシャツを肌蹴けながら
「門限だよ。ないの?」
花村一路は律儀にもそう尋ねた。
「安心して。別に拉致監禁しようなんて気はないから」
「わお」
さすが先生だ。
門限があるなら
その時間までに家に帰すってことか。
「――変な人」
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