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「声を抑えちゃダメ」
「あ……」
「聞きたいんだ」
九条さんは完全に悦に入った表情で。
僕の両手を後ろ手に取ると。
「いや――永遠に聞いていたいぐらい」
「ウゥッン……九条さんっ……!」
一層激しく僕を突き上げる。
「もっと啼いて――もっと啼けよ」
「アアッ……もう……!」
純度の高い欲望。
ある時結晶化される。
「和樹……君を嫌いな人なんかいないさ……」
「九条さんっ……!」
紙一重なんだと僕は思う。
「でもダメ。僕の物だ。君は僕の物――」
こんな風に――。
「逝くっ……クよ……九条さぁんっ……!」
突破口を見つけた気がした。
見てろよ、先生。
明日は僕の勝ちだ――。
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