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メアリーは青年をお茶に招待する事にした。いつも三時にはお茶を飲むため、ある程度の準備ができていたこともあるが、それよりは、賓客をもてなすにはなによりもお茶だという習慣が彼女の心の奥に深く染みついている事が理由と言えた。
「どうぞ」
メアリーはそんな言葉と共に、来客用のカップを青年の前に置いた。メアリーはその正面に、マーガレットはメアリーの隣にそれぞれ腰掛ける。
「先ほどは危ないところを」
マーガレットはゆっくりと頭を下げる。
「いえ、そんな。ただ、当然のことをしただけです」
青年はマーガレットの態度に、少し慌てたような様子を見せる。そして、
「先ほどのあなたの毅然とした態度には感心しました。あの大男を相手に全く臆する様子も無かった。本当に素晴らしいと思いましたよ」
「いえ、もう、慣れっこになってしまっているだけですよ。夫のおかげで」
マーガレットはそう言うと微笑みを浮かべる。
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