謎の青年

3/8
前へ
/229ページ
次へ
「ご亭主様ですか。失礼ですが、ご主人は一体どういった方なのでしょう? いえ、もちろん差し支えなければで良いのですが、探偵の恨みを買うだなんて、なかなか有ることでは無いと思うのですが」  青年の質問にマーガレットは笑みを浮かべ、差し支えだなんて、と言った後、 「私の夫はアンダーウッドと言って、刑事なんです」 「お父さんは、悪いことをしている人を見るとほっておけないのよ。きっと、あいつの仲間とか言う奴も権力を笠に着て非道な行いをしていたんだわ。自分たちがお父さんにやられた事の仕返しにお母さんを襲うような奴だもの。どうせ、仲間って言うのも推して知るべしよ」 「こら、メアリー、言葉遣いに気をつけなさい」  マーガレットはメアリーが話した内容では無く、その言葉遣いを注意する。 「はーい」  メアリーは母の小言に対し、そんな返事をしたが、どうもその言葉の調子からはあまり効果があったようには感じられなかった。
/229ページ

最初のコメントを投稿しよう!

48人が本棚に入れています
本棚に追加