謎の青年

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「確かに、そう聞くと卑怯者に感じますね。なにせ、大きな恩がある分、断りにくいでしょうから」  青年はそう言ってメアリーの意見に一定の理解を示した後、 「それでも、それはアンロックだけで無く、彼の妻となったメアリーの事も否定しかねない、あまり誉められた行為ではありませんよ」  急に表情を引き締め、そんな忠告をする。 「すみません」  メアリーはそう言ってますます小さくなる。 「まあまあ、この子も悪気があるわけではありませんから。ところで」  マーガレットがそう言って娘に助け船を出す。 「あら、私ったら、まだお名前をうかがっていませんでしたね」  その言葉に、青年は驚きの声を挙げた後、 「こちらも失念して、失礼しました。私はエンハンス、エンハンス・ホーネストと言います」
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