探偵という階級

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 二日前の彼女が一七回目の誕生日を迎えた日、彼女の親友であるリンダから贈られたその本に、彼女は怒り狂っていた。リンダとは親友だ、多くのことでは気が合い、お互いにわかり合い、そして、一緒にいても彼女ほど楽しい人物はいない。それでも、事探偵に関してだけは、メアリーとリンダは絶望的に意見が合わなかった。もっとも、世間的に言うならば、メアリーの方が異常なのだが。  彼女の怒りが収まらない内に、階下で激しく扉を開く音が聞こえてきた。その音を聞き咎めたメアリーは扉を開けると、廊下に頭だけを出した。 「おい、ここはアンダーウッドの家か?」  そんな叫び声が聞こえてくる。階下には母親がいるはずだ、声に聞き覚えの無かったメアリーは母が心配になって下へと続く階段まで移動する。 「はい、そうですが」  メアリーの母親であるマーガレットはおっとりとした様子で応える。この様なことにはすでに慣れっこになっていたのだ。 「ふん、ここがあの悪徳刑事の家か。お前はアンダーウッドの嬶だな?」  男の叫び声はさらに大きくなり、二階にいるメアリーですら耳をふさぎたいと思うほどだった。
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