霧島ミズキ

3/9
前へ
/186ページ
次へ
「おーい!ミズキー!行くよー!」 ミズキは、私の名前だ。 小学校から仲の良いレイカの声がする。 レイカは、名前のイメージとは裏腹に 男子にも顔のきく委員長タイプの娘だ。 レイカは持ち前の明るさが唯一の取り柄で 委員長タイプとは言ったが、頭のデキは 言うほど良くは無かったりする。 「ごめん、レイカ。考え事してた」 私は慌ててカバンを持って向かう。 「あの男女、女子とツルんでらw」 近くで男子の一人が私を指差して笑う。 私は目立つ。制服が特別だからだ。 「ちょっとぉっ!ミズキ君はね、 男女じゃないの?分かるぅ??」 男子の一人を捕まえて言い寄るレイカ。 こういう時のレイカは頼もしい。 「ダイゴ、レイカに逆らうとヤベェぞ!」 「アキト、そうなのかぁ?」 「レイカは先生にチクりやがるからなぁ」 「うわっ、そりゃヤベェ。逃げろっ!」 ダイゴは中学生に一緒になった同じクラスの男。 体育会系っぽいような体格をしており、 太ってはいないが、イジメっこタイプだ。 アキトは、同じ小学校からの同級生。 ダイゴに同じく体育会系のヤツで、ダイゴとは 既に意気投合しているような雰囲気がある。
/186ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加