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【 サナ 】
岩の上から見下ろせば緑が広がっている。
ソロソロ、あの者達が来る。
少女は胸元の石に手をあてる、『ダークナイト』闇と戦う戦士が許嫁の彼女の胸のうちはいつもこの時期になると不安になる。
「サナ、ここにいたのね。落ち着かないのはわかるけどソロソロ村にもどったほうがいいわ。」
髪を高く結わえた少女に声をかけられサナは振り向く。
「ナズナ、まだ暗黒はきてないわ。だいじょうぶよ先に行ってて。」
闇の曇りが現れるまでサナは動かないとさとったナズナは薬草をつめた袋を蔵に結わえて馬に乗る。
「また闇の者と戦わないでよ。あなたは『ダークナイト』でわないのだから。」
ナズナの言葉が胸にひびく。
私だって風の女戦士、戦えるのに……。
女というだけで戦えないのがもどかしい。
ネオスなら戦えるのかしら?
母はネオスの魔法戦士だったという今は薬師として薬づくりに励んでいる。
遠くに黒いもやがわく、ソロソロかえらなくてわ。
どうかご無事で、祈りをこめて剣をかかげる。
銀色の光が遠くさした。
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