『マホロボ』の異変

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【異変】 まだ空に暗黒はひろがっている。 広がっていたカギヅメをもつ不気味な容貌の闇の生き物の動きが突然とまった。 戦士達も動きを止める。 戦士を率いるリーダー、オニキスは剣をぬぐう。 「オニキス様、ポプリが風がうなっているともうしております。」 焦げ茶のマントの小柄な男性は術師の伝令、ソーダだ。 「ああ、うなっているしみょうな気配がする。」 突然、闇の者達が天に現れた白い光に吸い込まれはじめる。 「敵が我々に危害を加えぬかぎりは動くな。」 強い風がふいてオニキスの髪をまいあげる。 「オニキス様、クヌギ様から伝令がまいりました。大地の異変が起きる『サシャの谷』に一同避難せよということです。」 先ほど風のように去ったソーダが戻ってきて伝える。 異変、確かに今まで敵がきゅうに退散するということはなかった。 「わかった、ソーダ、ピースに来るように伝えてくれ。ポプリに皆を『サシャの谷』へ誘導を頼むと伝言、俺はクヌギ様のとこに向かう。」 コツンと何か頭にあたる。 ソーダも上を見上げあたったものをみる。 石? 銀色に輝く四角いぶったいだ。 ウォーンと言う風の音にまじりズズーンという音がひびく。 「変な空気だ。みなもの、剣をおさめよ。この異変が何かわかるまで『サシャの谷』で待機せよ。」 腰に剣を納める。 「父上何が起きているんでしょ?」 バラバラと降る石をさけながらピースがオニキスの横にくる。 「わからん、クヌギ様のとこに行く。お前は俺の警護だ。」 不安そうな息子の肩をたたき、オニキスはマントをひるがえし走りだす。 ピースも続く。 民達に何もなければよいが……。 オニキスは胸の中で思いながら走った。
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