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一陣の木枯らしが吹く。
枯れた紅葉の葉を、むなしく舞わせて。
右へ。
左へ。
からからと音を立て、力無く、紅葉葉は転がる。
にわかに強く吹いた風が、葉をすくい、ふわり、宙へ浮かべる。
葉は、散り直すように舞いながら、傍らの墓石へと降り立つ。
ーー柔らかくそよぐ風の中、葉はおどける。
ゆらり。
ゆらり。
硬く、冷たい墓石の上…居心地の悪そうに。
「…ごめんな」
紅葉葉は、石の上から失せた。
風はない。
ふと、差し伸べられた大きな掌が、無造作に払いのけたのだ。
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