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チャラララララァラァン♪
着信だ・・・、
流行のアーティストの新曲が流れる。
「なんだ? この電話?」
ギャルっぽい格好したその少女は、
不審な顔して携帯を開いた。
「もーしもーし?」
・・・雑音が多い・・・
どっからかけてんだ?
『・・・もしもし、私メリーさん、
私とお友達になって・・・?』
やや舌っ足らずの声がする。
「ハァ? なんだ、おまえ?
出会い系かなんかか?
わりぃけどこっちも女だ、
他、あたれ、じゃぁな。」
少女は「ばっかじゃねーの」とでも言うような顔で携帯を閉じた。
「・・・なんだあ?
今日子? おまえ出会い系やってんの?」
「ふぅざけろ!
あたしがやるか?
宣伝か勧誘だよ、
女の声で『私とお友達になって?』だと?
きもいよ、マジで。」
二人は新宿を歩いていた・・・、
別に二人は恋人同士というわけでも、
デート中というわけでもない。
強いて言えば高校時代からの悪友、
互いを異性として意識しているかどうかは・・・
微妙。
男は今日子の買い物に付き合わされているだけである。
二人はただいま東口前の広場で休憩中、
冷たいドリンクでも飲みながら、
くっだらない仲間同士の噂話をしていたところだった。
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