平凡くん

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入学式。桜がひらひらと舞う。 綺麗な制服を身にまとい、 みんな楽しそうに嬉しそうに歩く。 その中で1人、楽しそうでも 嬉しそうでもない無表情の少年。 少年の容姿は綺麗でも不細工でもない。 平凡そのもの。 身長も高校男子の平均。 その少年のことをいない人のように 周りの生徒は通りすぎる。 そして、何も考えず何も思わず校門を くぐっていく人達。 その中で無表情の少年は校門の前で 足をとめる。 そして、口を動かし…狂おしい笑顔をみせ、 ゆっくりと、 校門をくぐった。 ―この学園がどんなとこか知ってんのか? そう小さく呟いた少年の言葉を 聞いてる者はいなかった。
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