第9章 それでも変わらなかったから

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それから私は、3年前の楽しかった思い出を、また思い出すようになって、ヨシとも頻繁に会うようになった。 「またあの頃みたいに皆で遊びたいよね。」 ヨシは言った。 「うん。」 私はそう返したけれど、なんだか複雑な思いが消えなかった。 「ねぇ、ヨシ・・・私たち何も変わらないね。」 私の中で芽生えた違和感。 もう、彼らと会ってちゃいけないと思う気持ちと、会いたい気持ち。 「別にいいんじゃね?ダメ?」 「楽しいのはいいけどさ、いや別に私とヨシはいいよ。 でも諒司と私がまた会って、それでいい事なんてきっと無い。」 「あれから一回だけだろ?会ったの。 何かあったわけ?」 「そうだね、確かに2回目があるとも限らないしね。 いや何も無いよ。思い出話しただけ。」 「美咲はさ、危険なことが大好きな体質なんだよ。 良くないこと、危ないこと、そういうのに自ら足を突っ込むっていうか・・・」 「あぁ、分かる気がする。」 「いつまでも春野は美咲にとって、クズだけど魅力的なんだろ。」 随分と的を得てると思った。 「でも結婚してる男に興味はないな。」 「しててしてないようなもんだろ。」 「同じ女として、やっぱそれは奥さんが不憫だよ。 私が言えたことじゃないけど。」 「美咲、そういうの気にする質なの?」 何がいいことで、何が悪いことか、善悪の区別はつくつもりだ。 でも悪いことを重ねてきた私にとって、感覚が麻痺しているのは、もう誰から見ても明確だろう。 私きっと罰が当たる。 いつもいつもそう思ってた。 真剣になってくれた人へも思わせぶりな態度をとって、気持ちを踏みにじったことー そんな事を思い出して、自分がクズに思えた。 諒司との次回の約束なんてしてない。 でも私は、なんだか2回目があるような気がしてならなかったんだ。 そして、きっと私はまた会うんだ。
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