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『電話平気?』
そう唐突な連絡が来たのは、諒司と会ってから一ヶ月がたった頃だった。
『平気。』
私は短く諒司に返事を返した。
「もしもし?」
「今日暇?」
「えっ?いやでも私ー」
「ー12時~3時だろ。」
「うん。でも・・・ちょっと頭が痛いというか。」
「俺は頭痛くない。」
「そうだね。」
「迎え行く。」
「ほんとに?」
「準備しといて。」
「・・・うん。」
強引というか、本当に自由人だな。
「もうそろそろ。」
「え?」
「いやだって、もう12時になるよ。」
「準備・・・」
「俺らの仲で今更。別に何でもいいよ。
今警察署曲がったところだよ。」
警察署からうちまでは、車で5分もかからない。
「私にすっぴんメガネで出てこいっていうの?」
「うん。待つ方がめんどくさい。」
「準備くらいさせてよ。」
「いいよ、早くして。」
「だってどこか行くんでしょ?」
「行くけどいいって。それか車の中。」
「車の中にしようよ。」
「分かったから。もうつくよ。」
諒司はいつだって唐突だ。
そして私はいつだってそんな諒司に従ってきた。
外に出ると、前回と同じ位置に諒司がいた。
外に出てタバコを吸ってる。
「いきなりおばさんみたいになったな。」
諒司は私を見るとすぐさま言った。
言葉に出すより先に、思いっきり諒司を引っぱたいた私。
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