第9章 それでも変わらなかったから

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『電話平気?』 そう唐突な連絡が来たのは、諒司と会ってから一ヶ月がたった頃だった。 『平気。』 私は短く諒司に返事を返した。 「もしもし?」 「今日暇?」 「えっ?いやでも私ー」 「ー12時~3時だろ。」 「うん。でも・・・ちょっと頭が痛いというか。」 「俺は頭痛くない。」 「そうだね。」 「迎え行く。」 「ほんとに?」 「準備しといて。」 「・・・うん。」 強引というか、本当に自由人だな。 「もうそろそろ。」 「え?」 「いやだって、もう12時になるよ。」 「準備・・・」 「俺らの仲で今更。別に何でもいいよ。 今警察署曲がったところだよ。」 警察署からうちまでは、車で5分もかからない。 「私にすっぴんメガネで出てこいっていうの?」 「うん。待つ方がめんどくさい。」 「準備くらいさせてよ。」 「いいよ、早くして。」 「だってどこか行くんでしょ?」 「行くけどいいって。それか車の中。」 「車の中にしようよ。」 「分かったから。もうつくよ。」 諒司はいつだって唐突だ。 そして私はいつだってそんな諒司に従ってきた。 外に出ると、前回と同じ位置に諒司がいた。 外に出てタバコを吸ってる。 「いきなりおばさんみたいになったな。」 諒司は私を見るとすぐさま言った。 言葉に出すより先に、思いっきり諒司を引っぱたいた私。
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