第9章 それでも変わらなかったから-2

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薄暗い店内にカラフルなライト、カウンターの一番端に諒司は居た。 「諒司。」 私は隣に座った。 「門限あるんじゃないの?」 もう時間は、3時手前になってる。 「・・・今日は特別。」 「そっか。代行呼ぶから移動しよ。」 「うん。」 行き先は聞かなかった。 何もそんなに気まずそうにしなくたっていいじゃない。 「あれ、美咲ちゃんじゃん。 今日は飲まずに帰るの?」 店長に声を掛けられた私は「うん、今日はこの子のお迎えかな。」と答えた。 「門限無いってことは朝まで語り明かせるってわけだ。」 諒司がボソッとそう言った。 「そうだよ。」 「2人きりで話そ。完全に2人きりで。」 これって多分行き先はー 引っ越してから徒歩圏内にしか出てない私には、土地勘がない。 諒司が代行でどこに向かってるのか分からなかった。 でも、淡い紫色のライトが漏れる建物を見た時に、私は『やっぱり』と心の中で思った。 車を降りた後「嫌なら自力で帰ってね。」と、諒司は笑った。 「お話するんでしょ?」 「そうだよ。」 私は理性を保つことが出来るだろうか。 「ねぇ、入浴剤がある。」 「好きなの選べよ、タダなんだから。」 思えばラブホなんて諒司と来たことなかったな。 「ねぇ、コスプレ!」 「好きなの選べよ、タダなんだから。」 「コスプレは500円だよ。」 「え?ってか何着るの?ってかそもそも着るの?」 諒司、やっと笑った。 「何か着て欲しい?」 『どれどれ』と諒司がコスプレの見本を品定めに来た。 「500円なら着ないで欲しいね。」 「もう、なんでー」 諒司は相変わらず唐突な男だ。 諒司が私にキスをした。 「女子高生の格好したお前と話しててもなぁ・・・」 そうやって何も無いような顔して、平然と普通の会話に戻して。 諒司、私に変なスイッチいれないで。 私はそのまま諒司の袖を掴んで背伸びをした。 ダメなことなんて百も承知だ。 でも私、今諒司とキスがしたかった。 「お前本当ずるい・・・」 「ずるいのは諒司だよ。」 「お前だかんな、スイッチ入れたの。 部屋行くぞ。」 どう考えたってスイッチを入れたのは諒司じゃんか。 「入浴剤っ。」 「にゅ・・・お前本当に空気壊すの上手だな。 好きなの選んでください。」 「一緒に選ぼうよ。」
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