2人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
躑躅通りの散歩道
仄甘い香りに染まる緑風
黒い仔犬と白コーデGirl
踊る陽射しに綻ぶ唇
心臓の高鳴りから
宇宙までも飛躍する妄言
列挙した破裂寸前の脳に
クールダウンの理性の水を
葉桜通り 古民家カフェ
耳慣れぬ名のケーキと柏餅
一口どうぞなど夢のまた夢
君は無邪気な仔犬に夢中
ふとした仕草に釘付けの視線
嫌われまいと何度も逸らす
デパートの壁面を泳ぐのは
間の抜けた顔の鯉のぼり
まだ声に出せぬ想いの花に
君の好きな色も添えようか
背を押す勇気となるように
並んで歩く帰り道
揺れるリードと握れぬ細い手
奥手の葛藤 知ってか知らずか
無防備な頬に刻まれる微笑み
燦々と降る陽射しに抱かれ
眼にも目映い白躑躅の路
初夏の陽気と追風に煽られ
幼馴染みに恋した日
最初のコメントを投稿しよう!