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打ち付ける雨と荒ぶれる強風
不意打ちの罠を綱渡りの最中
計算尽くな謙虚さにほだされ
危ぶまれる均衡と心の平穏よ
素知らぬ振りの無表情な群衆
外聞を繕い跋扈する迫害精神
安い優越感の売買には敏感で
崇めるのは神でなく場の空気
谷底には一面に咲く純潔の花
落ちてみないと判らぬものさ
失敗は成功の前に嘲笑を生み
寛容なる親愛も喪失の憂き目
カフェインで流し込む気分は
焦がしすぎたキャラメリゼ色
それでも信じて願う愚の骨頂を
鈴蘭の花に託して君へと贈ろう
巡る時が大地を春へ還すように
君の幸福が何度でも訪れる事を
一面の白が揺らめく谷で
雨上がりの虹を見るのさ
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