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「自分の性的な趣向を満たす為に、人工的に少女を造ったーー」
医師はそう言った。
「造った?」
若い刑事が驚いた顔で確認するように、造ったという言葉を繰り返す。
「はい。子宮が無いので妊娠もしないですし。性的な快楽も無く、本人は痛いだけですから、毎回処女のようにされるのを嫌がるでしょう。そういうのを好む変態も居るでしょう。現にこの子の性器とされる物には、性交渉を幼い頃から長くに渡り行って来た形跡がありますが、この性器では自ら望んでそういう行為に及ぶ事はまず無いでしょう。かなりの苦痛ですからね。性行為は、この子にとって拷問ですよ。あとは売春させるなどの目的でーー、というのも考えられますね。妊娠しないですから。まあ、あくまで推測ですが」
「……。」
話を聞いていた若い刑事は、行われていたであろう行為の、あまりの異常さとおぞましさに思わず生唾を飲み絶句する。
「同情はするが、やった事がやった事だ」
老いた刑事が、諭すように若い刑事に言った。
さすが長年の経験を積んだ刑事という感じで、どんな状況でも感情を揺るがせない訓練をしているかのようだった。声は落ち着き払っている。
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