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4 なぜ流る? 俺(続き)
一生かけても住めないだろう超豪華マンションに越してから、二週間余り。
引越しの片付けも落ち着き、新しい住まいや
ちょっと風変わりな同居人との生活リズムも少しずつ掴め始めた。
そして、
「お帰りなさいませ、奥村さま」
このマンションの執事みたいなコンシェルジュ。
その存在にも、こうして掛けられる挨拶にも慣れ、
「ただいま、横田さん」
六人いるという彼らの顔も名前も、ほぼ憶えた。
そして、いつもの俺の暮らしが、ようやく戻ってきた。
いや、戻ったはずだった。
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