めぐり合わせの雨

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しかし幼馴染みなのに一度意識してしまうともう後戻りは出来ないのかもしれない。 受け止めた腕と肩には彼女の温もりと柔らかさがある。それを意識した途端何やら恥ずかしくなってきた。 「いつまでその体勢でいるんだよ。重い」 とつい言ってしまった。本当はもう少しこうしていたかったなんて口が裂けても今の俺には言えない。 「わ、悪かったわね」 と彼女は何やら焦って傘の下から出ようとした。 いや、出るなよ。濡れるだろ。
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