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「あー、恋愛要素はいらねーけどメリーバッドエンドっていいな」
景はパタンっと本を閉じると満足げな表情で天井を見上げた。
「なんていうかさ、多面的な話って読み手によって捉え方が違うから面白いよな。白夜さんはこの話についてどう思ってんの?」
「そうですね、塔を出た姫が外の景色を見て何を思ったか気になりますね。まぁ、2人は幸せになった訳ですし良かったのではないですか」
白夜はそう言って紅茶を飲んだ。
「へぇー俺も恋愛とかしたことねぇーからよく分からないけど、好きな人といられればそれでいいと思うな」
景は人差し指の上で本をくるくると回してから器用に本棚に本を押し込んだ。
「景もこっちに来て紅茶を召し上がってはどうですか」
白夜はカップを用意して景の分の紅茶を注いだ。
「あんたが優しくするときは何かありそうで怖いっての」
「何かするかどうかはその時の気分ですから安心してください」
「気分だから安心できないんだけどな」
終わり
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