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すると旦那様は愉しそうに微笑なさって。
「欲しいなら欲しいと言え、ほら」
促すように顎を引いてきますが、
そんなこと、とても言えません……。
黙って俯いていると
さらに手がのびて続きをなさる。
もうあと一瞬で真っ白になってしまう、
と思う直前に手を止める。
そんなことを何度も繰り返すのです。
「言え、ホラ」
「う……」
私の目に溜まった涙を舐め取りながら
意地の悪いことをおっしゃる……。
「……ほ、……し……」
「何が欲しい」
「えっ」
それも答えろと言うのですか？
……信じられない。
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