205人が本棚に入れています
本棚に追加
/801ページ
「……だ、旦那様……」
「何だよ」
「旦那様、の……」
「俺の何だよ」
それ以上を言葉にするなんて無理です。
きゅっと握った手で口を抑えました。
旦那様の表情は優しいのに、吐く言葉は……
「答えろといってる」
「……いじわるっ……」
ぽろぽろ泣くことしかできないでいると、
塞ぐように口づけてくる。……
「こんなにされても言えねぇのか。
は、令嬢サンはしょうがねぇな。
品が良いもんな、お前」
じっと上から見つめられると、
恥ずかしさで耳まで熱い。
消えてしまいたい……。
「もういい、わかった。
しょうがねぇからその顔に免じて許してやる」
え、という目を向けると、
「かわいいから許す」
ニィと不敵に笑んで、
あとはもう朝まで
熔けるように愛して下さいました。……
最初のコメントを投稿しよう!