7人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
.
「何だ?金の池田か?金でファイナルアンサーか?」
「いや、違…」
ファイナルアンサーって…
金の池田って…
不味い、想像するな、金の池田を…
「金か?ん?金か?」
「や、ち、違います…」
よせ、やめろと言うのに、全身金色の池田が俺の頭の中を行ったり来たりする。込み上げる笑いを堪えるのに必死だった。
だがちょっと待て。
何故池田?そもそもこのおっさんは何故池田を知っている?
池田というのが俺の知っているあの池田だとしたら、このおっさんは池田の知り合いか?
そしてこの質問。もし有名なあの“金の斧銀の斧”的な童話のリメイク的な話だったとしたら…
いや、もし、もしもの話だ。そうだったとしたらどうなる?
正直に答えないとどうなるんだ?あの話の結末は…
「お~い?お前、聞こえないのか?何回同じ事を言わせるんだ?お前アホか?アホなのか?」
「いや…」
なんたる屈辱。アホとは何だ。戸惑う時間くらいくれたっていいじゃないか。
と言うか、このおっさん本当に誰だよ?
「もう一度聞く!お前がなくしたのは、金の池田か銀の池田か、それとも親友の池田か?」
「あ、あの…」
「何だ?」
「ど、どちら様ですか?」
「質問に質問で返すなっ!」
「ひぃっ!」
.
最初のコメントを投稿しよう!