恋人の特権

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「ミス坂崎、隠れても無駄ですよ。 仕事も終わったところだし、ゆっくり食事でもしながら伺いましょうか、そのポケットのスマホの中身について……」 ああ、バレてた…… 彼、クリストファーの写真でいっぱいのスマホ。 お洒落なカフェレストランで、坂崎美帆は緊張しながらも美しい金髪に見とれる自分を戒めて首を振った。 「あ、あの、もうしませんから見逃してもらえませんか?」 「あぁ、盗撮は完全な犯罪ですよ?警察、とは言わないまでも会社に言えば処分の対象になるでしょうか? でも…… ガールフレンドなら、例え裸の写真が出てきても問題ない……」 「えっ!?」 「日本では付き合うと言うんでしたよね?」 「えっ、まさか!?」 「僕は構いませんよ。 素敵な黒髪の女性と夜を過ごせるなら……」 「あ、あのじゃあ、ポーズとってもらってもいいですか? できれば、後ろから″あすなろ″抱きしてもらったところをカメラに収めたいんですよね! あ、大丈夫!自撮り棒も持ってますから!」 「はっ????」 ミス坂崎は八等身のモデルに取らせるポーズの事で夢中になっていた。 (これで、今度の漫画はイケル!) 自分がクリスの恋人になった事に、果たしていつ気づくのだろうか……
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