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横須賀から
連休中の早朝、街は人気もまばらだった。
前の晩、懐かしい友と嬉しい再会を
果たし、久し振りに「ドブ板」で痛飲した
俺は、午前5時の横須賀中央発、京浜急行本線の上り品川行きの始発普通列車で、心地よくも浅い眠りに就いていた。
連休の中日。始発と言う事もあり、車両には人影もまばらで、話し声さえも聴こえない。
列車が時折、駅に停車する度に眠りが浅くなり、動き出してしばらくすると深い眠りに落ちる。
そんな連続が、ただただ、心地良かった。
まるでお気に入りのblues。そのgrooveに身を委ねる。
何年ぶりだろうか。気の置けない懐かしい友との、取り留めもない会話。
そんなひと時が、俺を穏やかな気持ちにしてくれていた。
さっきまで呑んでいたジンが、軽い頭痛と共に、身体中にアルコールを巡らせていた。
上大岡で、俺の乗っていた車両から一旦、乗客が全員降りた。
ガランとした、まだ薄暗い中を走る京急の車両もまた、なかなかに心地の良いものだった。
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