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「よ、よく知ってるねー」と愛想笑いを浮かべながら、摩り替えられる話題がないか思考するがフィリアの質問は止まらない。
「ちなみに、魔法はなにが使えるんですか?」
「えーと、田舎にいたせいでそうゆうの分からなくて…」
グイグイと来るフィリアへの回答を濁しながら、魔法の存在があることを再認識する。
「でしたら、どんな属性が使えるか、調べてみるのはどうでしょう。」
フィリアは少し驚いた様子だったが、すぐにパンッと手のひらを合わせ提案する。
「そんなことができるの?」
「はい、ギルドには魔晶石といって、属性を判別できる水晶があるんです。お金もかからないので気軽に使えるんですよ。」
フィリアの返答をきいて期待が高まる。
なんて素晴らしきかな異世界!小説やアニメの中で憧れに憧れた魔法を、ついに自分も使えるときが!!
高揚感を表に出さないよう努めながら、導かれるままにギルド街の大通りが続いてる一際大きな建物に入っていった。
ーーーそして数分後。
「げ、元気だしてください」
「...そうだね...」
落ち込んでいた青年を少女が横から顔をのぞかせながら励ます。
なにを隠そう、その属性検査の結果がまさに今落胆している原因なのだ。
「魔法が使えない人だって少なからずいます、なのでそう気を落とさないでください」
そう、ワタクシことミツキ・カケルには、魔法を使うための魔力が、そもそも体内に存在していないらしいのだ...。
「... ちなみにフィリアは魔法つかえるの?」
「はい、氷魔法が使えます。」
「......魔法使えない人ってどれくらいいるのかな」
「えっと......1000人に1人くらいでしょうか。」
割合をきいてさらに愕然とするカケルであった。
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