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「ねぇマユミ。これが、前回、君が企画して好評だったイベント?」
「そうよ。前期で一番の評価だったわ」
海外事業部から異動してきたレオンハルトが指差してるのは、我が社がスポンサーになっているゲーム作品の宣伝イベントのポスター。
「よし。次の企画イベはもっと高評価を貰えるよう、僕と頑張ろう」
そしてこの人、企画宣伝部での私の相棒。
生粋のドイツ人でありながら日本語ペラペラの優秀なエリートだ。
「ところでマユミ。この後、予定空いてる?」
「え? きゃっ!」
なっ、何? いきなり肩を掴まれて後ろの壁に押しつけられた。
両手で囲われてる! まさかの壁ドン?
「熱い夜を過ごす君の姿が見てみたい。僕に見せて?」
甘い声が落ちて、手に持った缶ジュースが奪われた。
え? 私、“ また ”誘われてるの?
でも、ここは休憩スペース。いつ誰が通るか分からないところで、ソノ気になられても困る!
「ジュース返してよ」
「駄ぁ目。僕、もうヤる気になっちゃったからね。返さないよ」
レオンハルトの宝玉のような瞳がキラリと煌めき、私のジュースを飲み始めてしまう。
筋張った喉元がゴクゴクと飲み干す様は、どこか艶めかしい。
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