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「酷いわ、レオン。全部飲むなんて」
「ごめん。でも僕だけに集中してほしかったんだ」
「本当にいつも横暴ね。でも、私もこの金髪が乱れるところを見てみたい」
「お、ノッてくれるの? けど、僕のほうが本気だからね」
「ふふ。望むところよ。ねぇ? あなたの、この蜂蜜みたいな髪に触れてもいい?」
「あぁ。熟したサクランボのように美味しそうな唇で言われたら、断れないね。
思いきりかき乱していいよ。君だけの特権だ」
翠玉の瞳が、更に距離を詰めてきた。
私も目を逸らさずに熱い目線を受け止めて、声に艶を乗せる。
「あら。ちょっと調子に乗りすぎなんじゃ…………え?」
「ほら。その手を伸ばして、すがりつけよ…………え?」
「「ちょ、何でここでソノ台詞!?」」
「ここは、私がツンデレるところでしょ!」
「いーや。僕が王子から俺様に切り替わるところだよ」
「「ココは、絶対に譲れない!」」
この人とパートナーになって1ヶ月。
バッチリ気が合う相棒だけど、宣伝担当のゲームキャラになりきっての台詞対決では、いつもエンディングまでいかずに口論になっちゃう。
私たち、本当は相性悪いのかな?
―END―
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