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二宮君は涙目になりながら同席している人体模型さんに訊ねました。
「大丈夫っす!オレはニノさんの味方っす!」
「それでこそ僕の部下!」
「……理科準備室の一番左の引き出し」
なんとかく私がボソッと呟くと人体模型さんは血相を変えてしまいました。
「大丈夫っす!オレは花子の姉御の味方っす!永遠に!」
「弱味握られてた!?」
二宮君は床に両手をついて項垂れてしまいました。無駄な時間を過ごしてしまったので、そのまま土下座させてようやく本題に戻ることができました。
「えー、改めまして。本日は僕たちの弱点を洗い出して改善策を練ろうと……」
「書記の私なんか見ていないで続けてください」
「はい。……では、何かある人?」
現在旧校舎に勤めているのは六名。二宮君、人体模型さん、私と、この音楽室にいるベートーベンさん、ピアノさん。この両名が動けないため、会議はここで行われています。そして唯一の後輩の十三段目さん。十三段目さんも動けないので、書記である私の仕事として事前に意見を聞いておくこと、そして会議の報告をすること、があるのですがお願いしたら二宮君がやってくれるようになりました。
「はいっす!」
人体模型さんが元気よく手を挙げます。
「オレ増員が必要かと思うっす!旧校舎といえばやっぱり七不思議っす!」
しかし二宮君は渋ります。
「七つ目は知ってしまったらあの世に連れていかれてしまう、という噂が昔からの伝統でな……。しかし!若い意見を採用するのも手かもしれないな!よし、ここは思い切って七不思議の固定観念を取っ払おう!」
「流石っす!」
「予算は?」
私の声に二人の視線が集まります。聞こえなかったのかしら。
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