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「まず十三段目さんから。日中誰も立ち入らないのに夜だけ十三段になるのは正直無意味です。誰も確認したことないのに十三段になって一体どんな馬鹿が驚くと言うのですか?例え気付いた所で『あっ、そういう構造なんだ』としか思わないですよね、普通。地味なんですよ。そもそも何を見越して十三段目さんを雇ったのですか?せめて会議に参加できる方を雇ってください」
二人とも口をあんぐり開けて、みっともないですが構わず続けます。
「次にベートーベンさんとピアノさん。何ですかあのコミュニケーション方法?不便すぎます。不愉快です。早く言葉を勉強して覚えてください。どうして少数派のあなた方に私たちが合わせなければならないのですか?それとベートーベンさんは早く夜型になってください。人間の来る肝心な時にいつも寝ている癖に、長く勤めているからって私より給料が良いとか最悪です。ピアノさんも人見知り治してください。人間がこの音楽室に訪ねて来ても片方は寝ていますし、もう片方は驚いて何もできないではただの音楽室じゃないですか?呪われてるのは私ですか?それにどうして音楽室に二人も必要なのですか?三階の隅っこの教室にただでさえ少ない人員を割くとは何事ですか?せめてコミュニケーションが取れて、仕事する方を雇ってください」
「……花子、の姉御?」
「人体模型さん。私の方が年下なのにその呼び方やめてください。それとも私のことおばさんとでも思っているのですか?ついでに言いますがあなたの普段の話し方、癪に障るのでやめてください。あと仕事についてですが、あなた人体模型の癖に校則がどうのこうのとごねて走らないそうですね。歩いてるおかげでちょっとした人気者になって浮かれていること、私知っていますよ?あまり調子に乗らないでくださいね、あなたは人間の人気を得るために仕事をしているのではないのですよ?人間の一人脅かせられない分際で仕事している気にならないでください。せめて尊敬できる方を雇ってくださればいいのに」
人体模型さんの目が虚ろになってしまいました。
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