第1章

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「花ちゃん、そろそろその辺りで……」 「二宮君」 「……はい」 「『いや』から始まるところとか、語尾を濁すところとか、正直気持ち悪くて鳥肌が立つのでやめてください。それと先ほど『僕らの仲』とおっしゃいましたが、何ですか?僕らの仲って?顔合わせた日数が多いからって親しくなった気でいるのですか?それなら本当に寒気がするのでやめてください。この際だから言いますけど、頭が良いことは尊敬しています。ですが運動神経悪すぎではありませんか?二宮君が普段立っている台は確かに少し高いですが、あれから降りるのに五分も掛かるのははっきり言って異常です。臆病すぎです。降りたときに人間はもう校舎に入ってますし、この前は偶然通りかかったようですが走れてせいぜい三秒が限界ですよね?それにとても遅いですし。これだけは名誉のためにずっと黙っていたのですが二宮君は高所恐怖症ですよね?日中、台に立っているとき足が小刻みに震えているの知っていますよ?怖いなら初めから降りていればいいのに。あとリーダーという立場についてですが、リーダーシップの欠片もありませんよね?他人の意見に便乗するだけで自分の意思はまるで持っていません。頭が良いだけの方って本当にいたんですね。それと最近小耳に挟んだんですが大学の教授を依頼されたそうですね。もちろんやりますよね?その得た給料を予算としてこちらに提供しますよね?リーダーならそれくらい当然ですよね?それができないなら、せめて成仏してくださればいいのに」 「僕が一番辛辣!あと長い!」
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