60年

4/4
前へ
/9ページ
次へ
座席に座ると、不思議なことが起きた。 走行中の電車の中で私は歳を見る見るとっていった。私は年老いた身体で、うとうととしてきた。 夢の中で、60年の記憶が押し寄せてきた。公務員をして、独身の慎ましい生活を繰り返し、近所の人に「若々しいですね」と言われ,,,,,,。 過去の思い出を大切にして生きていた。私には昔、何故か別れてしまった大切な女性がいる。名前は白亜 恵。 どうして、別れたのかわからなかった。 気がつけば京急線に揺られ、車窓から品川の太陽光が映えるビルディングを私は見つめてた。 「あの。お隣いいですか?」 目の前に美しい和服の老女がいた。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加