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ガッシャーン! バリンッ!
ゴロンゴロン……、ガタン、ガタン……。
ゴンッ。
バタン! バタン! とドアの開く音、パタパタ……複数の足音、ノック一回で返事を待たず、同僚が入ってきた。
「斎藤さん!」「どうしました!」「きゃっ」
(助かった……)
男は私に馬乗りになったまま、呆然としている。
この人はいつも、私を指名してくれる。五十歳だったか、有名ブランドの服が似合うダンディな男性だったのに、口を開けたままの間の抜けた顔を見ているとアンタ誰? と今は思ってしまう。
こんな男をさっきまで自分の指で触っていたかと思うと気持ちが悪くなってきた。無意識に手をユニホームでこする。何度こすっても汚れが落ちない、汚くなったようでやめられない。
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