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僕がこのことをメールで千尋に伝えると、千尋が心配して、さっそく今日夜会おうと言ってきた。
僕と千尋は、千尋の旅行社に近い上野で待ち合わせることにした。
上野で千尋に会うと、千尋が何か話しかけてきたが、僕には全く聞こえなかった。
僕は千尋に、自分の耳を指さして話が聞こえないことをアピールした。
僕と千尋は、上野でよく行く個室の居酒屋に入った。
まずは生ビールで乾杯すると僕はさっそくノートを取り出して、今日朝起きた時から急に耳が聞こえないことを筆記して千尋に伝えた。
千尋もノートに僕に伝えたいことを筆記してくれた。
「病名は?
治療すれば治るの?」
僕は、治療は難しくて、耳が聞こえないままの状態が続くことを覚悟しなければならないようだと伝えた。
千尋は、ショックを受けたようだったが、僕に簡単にあきらめないで…と言ってきた。
僕も千尋を心配させまいと、何とか頑張ると伝えた。
この日の僕と千尋は、将来に不安を感じて、重たい雰囲気になってしまった。
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