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千尋との交際は続いていたが、僕はそろそろ千尋との今後のことを考えて、けじめをつけなければならないと思っていた。
僕は、千尋のことが大好きで、結婚したいと思っている。
しかし、耳が不自由になったことで、結婚後千尋にいろいろな面で苦労をかけることになるであろうことは容易に想像できた。
いろいろ悩んだ末、僕は、千尋との結婚をあきらようと考えた。
ある日僕は、会社帰りに千尋と飲む機会があって、千尋との今後のことについて話をすることにした。
僕の耳は、もう聞こえることはないだろうという話からはじまって、結婚は難しいだろうという話をした。
僕は、話をしながらとても悲しかったが、千尋は納得できないようだった。
千尋は、
「私にとって、ひろは大切な人!
ひろと一緒にいることができるなら、私は幸せだよ!」
と話してくれた。
僕は、千尋のこの言葉が、とても嬉しかった。
僕は悩んだ末、自分自身に正直になって、千尋に結婚を申し込んだ。
もちろん、プロポーズは手話で僕の思いを伝えた。
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